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(くまたそブログ)
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を迎えたくまりおRPGだが、それを記念して書いたもの。なげえ。
ちょっと真面目に書くとこうなる。
最後の方ちょっとめんどくさくなって描写すくねえ
あらすじ+小説的な何かである。故に、折り畳む。
モノ好きだけがみればいいのさ!



 空を見上げるみんなの顔が好きだった。

キラキラした目。瞳。顔。それを、子どもも大人も、おじいさんもおばあさんも、等しくこの空に向けてくれていた。それを静かに眺めている。そんな毎日が好きだった。
そうしている彼らの顔は、空に浮かんで光を放っているはずの僕らより全然輝いていて、だからこそ僕らはそれを糧にもっと輝くことができていたっていうのに。どうしてこんな事になったのか。



最後のスターピースはやつの、カジオーの中にあった。文字通り、体の中に。
そうであればやることは一つだった。やつを倒せばいいのだ。単純至極、簡単で良い。
そうすればすべてが終わる。この長かった旅も、終わるのだ。

何故か店を使えないという不思議な縛りを課せられていた僕達にとってうれしい誤算だったのは、旅の終盤、強力な武器を得られたことだ。

一つ、くまりおのウルトラハンマー。
二つ、僕のスターガン。
三つ、ピーチ姫のちょービンタグローブ。

これをもって武器の王を穿つ。正直戦力に不安を覚えていた僕にとってこの事は、そうすることが出来ると初めて思えた、まさに僥倖だった。
武器の王に立ち向かうには、最強の武器くらい必要だ。きっと皆もそう思っていたのだろう。武器世界に立ち入ったときには少し不安そうだった彼らの顔も、世界の最奥、武器工場に着いた時には消えていた。

それでも、実際に対峙したやつの戦闘力は圧倒的だった。
その場で熱くどろどろに熱せられた何か、素材のようなものに巨大な槌を打ち付け、武器たちを創りだしていく。生み出された矢先からそれらには意思がある。厄介極まりなかった。やはりこいつをこのままにしておくことは出来ない。危険な存在だった。

効いているのか効いていないのか、それすら分からないままに僕らは奴を殴り続けた。すると、やつに変化が訪れた。
怒る。怒る。ひたすら怒る。周りにいた自分の仲間のはずの武器たちにまで当り散らす始末。やつは僕らの攻撃に、苛立ちを覚えていたのだ。取るに足らない脆弱な存在には、こうは怒らない。僕達の攻撃は、たしかに効いていたのだ。

しかし、僕らは誤解していた。奴の戦力の本質を、見抜けていなかったのだ。
奴の脅威は、武器たちを目の前でどんどん産んでいくことだと思っていた。目の前で新しくどんどん生み出されてしまったら、いかなくまりおと言えども疲弊して、最後には気持ちで負けてしまいかねない。そうなってしまったらもう終わり。それはたちまち仲間たちにまで波及して、心を折ってしまう。僕は、そういう事が怖いと思っていた。

でも事実は全く違っていたのだった。やつは、やつは僕らの目の前で自分の体に槌を打ちつけて、何と自分自身を改造してしまったのだ。
その戦力たるや、まさに一騎当千。自身だけでマリオワールドを征服することが出来るほどのものだった。わざわざ武器たちを送り込んだりしなくても、直接来て暴れてしまっていれば、もうそこで世界は終わってしまっていただろうと思える程のものだった。
作り物の体に悪寒が走ったと錯覚する程、僕はその事に戦慄を覚えた。

奴の形態は確認できただけで3つあった。
魔法使いの頭をした形態。
宝箱のような形の頑丈な頭の形態。
おもちゃの戦車のような頭の形態。

特に苦しめられたのは、戦車の頭。店と名のつくものから物資を補給できない僕らには、この形態の持つ即死攻撃に抗う術が、姫の持つ回復技にしか無かったのだった。
だから彼女が倒れてしまったらもう終わり。そのせいで僕らは、幾度となく転生するハメになった。
なんども繰り返される転生につぐ転生。そんな中、気付いたのだ。僕らの持っているアイテムに、とても強力なものがある事に。

『レッドヨッシーエキス』

劇薬である。
用法、容量を誤れば命を縮めてしまうかもしれない程の代物だが、適量を効果的に摂取すれば、すべての攻撃が無効になるという大変な至高の妙薬でもある。
くまりおはなぜかそれを、ある朝起きると持っていた。曰く、
「幽霊のキノピオがくれた」
よく分からなかったが、少し遠い、ぼやけた目で彼がそう言っていたのを覚えている。

迷わず僕らはこれを使用した。とりわけ、安定した戦況のバランスを崩してしまうような局面で。即ちやつが戦車になった時だ。僕らはやつがそれになったと見るや、すぐにエキスを姫に投入した。そうする事で全滅を回避する事が出来ると思ったからだ。

この作戦は成功したかに思えた。しかし、またも誤算が僕らを襲ったのである。

姫の持つ回復技の特性。回復と同時にあらゆるステータス異常を治すというその特性が、姫の無敵状態をも解いてしまったのだ。これのせいで、また僕らは転生することになってしまった。馬鹿みたいな話だった。あらゆる攻撃は無効化するのに、味方の回復魔法は無効に出来ないなんて。

しかし、何度目か分からない奴への挑戦にて。いい加減てめーの顔も見飽きてきたぜ、と悪態をつきたくなってしまうのをこらえ、それを力に皆で奴を殴り続けること数十回。ついにその時が訪れた。

奴のからだが光を放つ。内から漏れてくる。これは間違いなく奴自身が発するようなタイプの光ではない。それが分かった瞬間、僕は歓喜した。

そうだよ、そうなんだ。
その光は、お前ごときの内に留めておくことなんか、出来やしないんだ。皆の願いが詰まった輝けるその星を、留めておくことなんか、な。

大きな轟音と共に奴のからだが破裂する。
「うごご・・・無とは一体・・・」
やつの最期の言葉が、聞こえたような気がした。

これで、全てのスターピースが揃った。くまりおが、高々と彼を掲げてくれる。狭くて無機質な所に閉じ込められていたせいだろう。心なしか、嬉しそうに見えた。


ありがとう。本当に、ありがとう。


そう皆に言った後、僕はくまりおに目配せした。
もどそう。彼らを。あるべき場所に。

すぐに飛び立とうとして、歓喜で頭から飛んでいたある事実に、僕はやっと気が付いた。
そうだった。そうだったね。
君も、ありがとう『ジーノ』。

僕は彼らを先導しなければならない。少し名残惜しいが、離れなければ。
彼の体が無ければここまで辿り着くことは出来なかった。僕は撫でるように腕をさすって感謝の意を示した後、彼の体から飛び出した。
きついこともあったけど、長く楽しかった旅が終わる。寂しくないと言ったら嘘になる。いっそ地上で暮らそうかと、少し頭をよぎったくらいだ。

けれど僕は、それ以上に好きなのだった。あの夢見る、希望に満ちた顔で空を見上げる皆の顔が。

一つ、また一つと彼らを戻していく。
僕には分かった。段々と、あの巨大なうねりが空に戻ってくるのが。
皆が願った分だけ星が生まれ、その星の流れが大きな流れを作る。星の道が創りだす圧倒的な光景。それが、この世界に帰ってきた。

地上ではくまりおたちがパレードの真っ最中だった。皆が皆楽しそうで、そんな彼らを祝福するかのように星たちが流れていく。どんどんどんどん流れていく。雨のように降り注いでいく。

あれれ。これはちょっとおかしいな。まだスターロードが直っていないのかな。

あまりの流れ星の多さに僕はそう思って、近くを流れていく星をちょいと捕まえた。触れれば、どんな願いか何となくわかるのだ。

少し触って、僕はすぐに彼を離してやった。もし叶っていない願いが降り注いでしまっているのならまずいから、出来るだけ捕まえておこうかと思っていた。でもそれは、大きな取り越し苦労だった。

願いは、『平和』だった。

ああ。素晴らしいね。なんという光景だろうこれは。今まで僕はこんなの、見たことない。もう僕が心配することも、きっとない。世界に平和が戻ったんだ。そう素直に思える絢爛豪華な舞踏祭が、空でも地上でも繰り広げられているのだった。





さて、僕はもう行くよ。
くまりお、後は頼んだよ。皆によろしく。

彼の頭の上をくるくると回って飛び立とうとしたとき、姫の少し淋しそうな顔が目の端に映った。

上昇する。

そんなに寂しそうな顔をしなくてもいいんだよ。キミらにとって僕らが必要なように、僕らにとってもキミらは必要なのさ。

ぐんぐん上がる。

僕らがキミらを照らしているだけじゃない。キミらが、キミらの存在が、僕らをより輝かせているのだから。

もっともっと上がる。

遠いようで、とても近い。だから寂しがる必要なんてない。ほら、こんなに空高く上がったのに、こんなに近い。いつだって側にいる。





ほら、見上げてごらん。
見上げれば、すぐそこに。



くまりおRPG 







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